「老後資金1億円」インフレでどうなる？
老後に向けた長期の資産形成で「1億円」を目標と考える人は少なくない。しかし、これからの1億円達成計画は、額面では終われない。インフレの時代、1億円の価値は次第に目減りしていくからだ。老後資金1億円を達成するこれからの資産形成を考える。
このまま2％のインフレが30年続けば、1億円の価値は半分近くにまで目減りすることになります。
老後資金のための資産形成において、1億円という大台のハードルが下がるわけですから、ある意味では恵まれています。
なぜなら「億り人」という肩書が手に入れやすくなるという意味ですから。
ただし、現在1億円持っている人のような消費はできず、現在5千万円持っている人と同じ水準で考えなければいけなくなります。
1億円は本当に必要なのか？
自分の老後に必要なお金をしっかり見積もった上で、現在の価値で1億円が必要だという人にとっては、30年後を見据えて2億円が必要という計算になるのでしょう。
逆に「なんとなく1億円くらい欲しい」だけであれば、30年後も1億円で十分かもしれません。
1億円という大台は、大きな目標となりますし、それを達成したときには大きな達成感を得られるはず。
「1億円持っている」という心の余裕を持ちつつ、節約生活で資産を減らさず生きていけるのであれば十分効果を得られているわけで。
際限がない人はいくらあっても不安
1千万円を貯めたら5千万円が欲しくなり、5千万円貯まったら次は1億円…とどんどん目標を上げていく人は、1億円が貯まったら次の目標ができるもの。
悪く言えば「足るを知る」ができないタイプですが、不安からそうなっている人はいくらあっても不安が湧いてくるもので…
5千万円貯まったらFIRE（早期リタイア）を考えていた人が、「もう少し資産増やしてから」と先延ばしするのと同じですね。
とは言え、1億円というのはわかりやすい大台なので、目標にするのはちょうどいいし、持てた時の安心感が大きいのは間違いない。
「1億円なんて到底無理」という人も、ハードルが下がっていくのだから目標にしていいのでは。
マネー雑誌も益々「1億円」を目立たせて売らないといけない時代ですかね。
