「これこそが、本来の人間の暮らし」
口うるさい上司や、相性の悪い同僚、居丈高な取引先担当者といったサラリーマンが避けて通れない人間関係からの解放、ノルマノルマの毎日からの解放、趣味の山歩きも好きな時に楽しめる、こだわりのコーヒーを淹れて気の置けないお客さまとの楽しい会話の日々を垣間見るに付けて、「これこそが、本来の人間の暮らし」と固く信じた彼は、脱サラを真剣に考えるようになりました。
都会の喧騒から離れた場所でこだわりのコーヒー店とか、十割の手打ちそば店とか、手作りパンのお店とか、早期退職だけでなく定年退職後のセカンドライフに思い描く憧れの職業の典型的な例だと思います。
メディアは成功して生き生きとしている人を取材して記事にするだけだし、客として見れるのも比較的うまく行ってる人の一面に過ぎません。
物事には良い面と悪い面があって、その良い面だけをみて判断すると失敗する例ですね。
成功例ばかり強調される
メディアで取り上げるのは、ある程度経営が軌道に乗って安定している人でしょう。
店を開いても、すぐにたたむことになった人だっているわけで、そういう失敗例にはあまり触れられません。
コンビニなどののフランチャイズ募集は「独立」「一国一城の主」など耳障りのいい言葉を並べて勧誘するわけですが、甘くない現実が待っているのはもうよく知られている通りです。
「早期退職してよかった?」と問われて答える人も、悪かったと思いたくない気持ちが働いて、本音を言わないと思った方がいいでしょう。
行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る
「人間は、行動した後悔より、行動しなかった後悔の方が深く残る。」は、心理学者のトーマス・ギロビッチの言葉だそうです。
だからといって行動した方が良い結果を得られるというわけではありません。
熟慮の上で本当にやりたいことなら行動した方がいいと思います。そのためには、悪い面・失敗例もよく調べておく必要はあります。
成功した人は成功例をひけらかしたがるもので、逆に失敗した人は隠したがるもの。
様々な認知バイアスに要注意ということで。
そもそも「本来の人間の暮らし」ってなんだよ!って思いましたけどね(;´∀`)