みんなが結婚する社会は幸せなのか?
結婚と幸福度の関係は、時代の変化とともにどのように変化してきたのでしょうか。人々の幸福度について研究する拓殖大学の佐藤一磨准教授は「かつての皆婚社会では、未婚状態がよりつらくなる『未婚ペナルティ』が発生していた可能性がある」と指摘します――。
かつてのように結婚圧力が強く、ほとんどの人が結婚する社会であれば、「結婚したいのにできない」人にとって幸せな社会だと思います。
ただしその条件として、「離婚しにくい(しない)」がありますが。
結婚するだけで得られる幸せは一時的なもので、結婚生活を継続してこその幸福ですからね。
逆に離婚した場合は未婚以上に不幸になるのではないかと。
未婚状態がつらい「未婚ペナルティ」
未婚のまま独身でいる「未婚ペナルティ」については、かつてほどではなくなりましたが、今もないわけではありません。
私くらいの世代は、親やそのきょうだい(私から見て叔父叔母)が戦前~戦中生まれでまさに「皆婚社会」で生きてきた人たち。
親や叔父叔母から「結婚しないの?」プレッシャーは少なからずありました。
それも30代くらいまでで、40代・50代になるとだんだんと言われなくなりましたけれど。
男性の4人に1人が生涯未婚の社会では気楽
今は「生涯未婚率」という言葉を使わなくなったので、「50歳時の未婚割合」と言ったほうがいいのかな?
男性50歳時の未婚率は2015年時点で23.4%で、2020年時点で25%を超えると予測されています。つまり、男性の4人に1人が生涯未婚。
「未婚ペナルティ」は田舎と都市部では差があると思いますが、単身者向けのサービスが充実している都市部では生活においてのペナルティは少ないですね。
むしろ単身者の方が住みやすいとも感じられるくらい。周りに単身者が多いのも大きな要素です。
女性の場合は、未婚かつ子どもがいないのが最も幸福度が高いというデータもあります。
自分でしっかり稼いで自立して生きていける女性ならば幸せ、という意味かもしれませんが、結婚こそが幸せという考え方が当たらないのは間違いない。
男性は独身者の方が幸福度が低くなっていますが、もはや少数派ではなくなっているのだから、周りと違うと考えずに生きていくのが幸せではないかと。