日本人の給料が上がらない現実
日本人の平均年収が減りはじめたのは1997年以降のことです。バブルを迎えて日本経済が世界のトップクラスになり、しかも1997年時点では一人当たりGDP(国内総生産)が世界4位だったにもかかわらず、平均年収は14位に甘んじていました。より大きな問題は、日本人の給料がその後上がっていないことです。
平均年収は、高齢者など低い年収でもいいから働くという人が増えると下がっていくので単純な比較はできません。
高い給料をもらっていて数が多い50代が減っていく影響もありますし。
一方の韓国は最低賃金を急激に上げた影響で、特に若年層の失業率が上昇したので日本とは逆。
ただ、最低賃金で言えば韓国の最低賃金は2022年1月1日から5.1%の9160ウォン(約927円)で、為替の影響もあって日本と同レベルです。
「抜かれた」かどうかは別にして、日本の給料がずっと上がらない間に追いつかれたとは言えますね。
人手不足なのに給料が上がらない
日本の給料が上がらないのが、人員が充足しているのならわかります。
しかし帝国データバンクが4月に調査した「人手不足に対する企業の動向調査」では、かなりの人手不足のようで…
IT業界なんてずっと人手不足なのにねぇ。
人手不足と言いつつ、正社員で来て欲しいのは若くて経験もある即戦力の人材、いわゆる「スーパーマン待ち」をしているのかな。
まぁITの場合は他業種からの転職が難しいのはありますけど。メンテナンスや検査も技術職ですしね。
「安値思考」からの脱却を
長きにわたるデフレを脱却するために、消費者は「安値思考」を辞めるべき、マスコミも安いほどいいみたいな番組を辞めるべきだとする意見を耳にします。
しかしながら、消費者が「安値思考」になるのは給料が増えないからであって、それはすなわち企業(経営者)が「安値思考」に陥っているからですよね。
給料が中々あがらない構造は各業界で理由は違うかもしれません。IT業界なら多重請負が大きな要因だし、買い叩きが起きやすい業界もあります。
国はそれを調査して、改善するための手立てを考えたほうがいいかもしれません。