スピードワゴン小沢の「独特な死生観」
――前編で「先のことをあんまり考えない」とおっしゃっていましたが、例えば将来的に貯金がなくなるみたいな不安もないんですか?
小沢一敬(以下、小沢):みんな言うのよ、5年後の自分とかさ。5年後まで地球があるのかもわかんないし、生きてるかどうかもわかんないのに。「5年後に怯えてる時間、マジ無駄じゃない?」って思っちゃう。
将来、貯金なかったらどうしようって、「そのこと考えてる間に漫画とかゲームとか映画でも1個楽しめるんじゃない?」とか思ってバカらしいんだよね。
今は生活に困るほどではないから言えるんでしょうけど、根っからの楽天家でもあるのかな。「5年後に怯えてる時間、マジ無駄」と言い切れるのは羨ましい。
不安をきっかけにして、あるいはエネルギーにして何かをしようとするならまだしも、ただ不安に怯えている時間はもったいない。
不安を煽られると弱いもの
しかし、人間は不安を煽られると弱いものです。
一部の新興宗教では、「このままでは人類が滅亡する」などと終末論を唱え、滅亡から逃れるためには入信して活動しないといけない、と訴え、それを信じる人がいます。
老後不安を煽る金融機関だって似たようなものですねぇ。老後破産から逃れるためには、この金融商品を買えばいい、と言ってくるわけで。
「老後に怯えてる時間、マジ無駄」と今を楽しめたらどれだけ楽なことか。少しでもこの考え方の方に傾きたいですけどね。
不安に怯える時間を楽しんだ方がいい
不安に怯える時間を漫画とかゲームとか映画を楽しんだ方がいいというのも、それが「有意義」だとか「いつか飯の種になる」などと考えず、ただ楽しめばいいという考え方にも共感します。
勉強のためではなくてあくまで趣味、「自堕落ですねって言われたい」とは私も思います。
まさにネット見てアニメ観てるだけの自堕落なセミリタイア生活ですから。
とは言え、時間があるから不安に怯える時間もできちゃうんですけどね…