カスハラの深刻度はパワハラやセクハラ以上
厚生労働省の実態調査などでは「カスハラの深刻度はパワハラやセクハラ以上」とも言われるなど、社会問題化しつつあるのは間違いないでしょう。どんな実態と問題があり、都や国の対応で何が求められているのか。
「カスハラの深刻度はパワハラやセクハラ以上」というのは、パワハラ・セクハラはガイドラインでダメなラインが明文化され、職場では研修が行われるようになったことで改善したからではないでしょうか。
一方、カスタマーハラスメントはどこからがアウトかわかりにくいまま。
単純に「自分は客(=神様)だから偉い」と思っているだけでなく、店側がミスをした場合には「相手が悪い(自分は正しい)から何をしてもいい」と考えてしまう人もいます。
東京都は「カスハラ防止条例」制定を目指すとのことで、これによって「これはダメ」というラインがはっきりすれば、完全に解決しないまでも大幅に減るのではないでしょうか。
明文化しない限りは、「これくらいはOK」と思って自覚なくカスハラしてしまう人がいますからね。
カスハラをしているのは中高年?
記事中では「シルバークレーマー」「カスハラは高所得層に多い」「カスハラは低所得層に多い」など、様々な現場の声から話を進めています。
ただ、どれも各現場における感想で統計・データに基づくものではありません。
以前、カスハラが多いのは「年収1000万円以上の高収入の中高年男性」という調査を紹介しましたが、これもWebアンケートによるものですし、そもそも「カスハラ」という自覚がない人も混じってそうで、もっと正確なデータが欲しいところ。
ちゃんと調べれば性別・年齢や年収などで相関関係はあると思いますが、絶対にカスハラしない属性があるわけでもないでしょう。
結局、完全解決はしないまでも何もしないよりはマシということで、条例制定で改善すればいいですね。
それを観測するためにも、定量的なデータを取っておいたほうがいいと思いますが。