働くのは「人並みで十分」が増加中
日本生産性本部の『新入社員「働くことの意識」調査結果』における、「人並み以上に働きたいか」を聞いた質問は、2012年以降「人並みで十分」が6年連続で上昇しています。
ただこれは調査結果でも「その年の新入社員の就職活動が順調だったか(大卒有効求人倍率)で敏感に変化する項目」としている通りであり、アベノミクス以降の有効求人倍率改善が大きな要因でしょう。
さらに東日本大震災の経験によるライフワークバランスの意識の変化や、社会全体の意識の変化も加わっているのでは。
ブラック企業の存在が世間に知られ始め、「ブラック企業大賞」が創設されたのが2012年ですし。
さまざまなタイミング・要因が重なっていった時期でしたね。
ケインズは週15時間労働の社会を予測
ケインズは1930年に「100年後、先進国では1週間の労働時間が15時間になる」との予測をしていたそうです。
テクノロジーでこのまま生産性が高まっていくと…との予測だったんでしょうね。
私が子どもの頃は土曜日も働く週休1日(土曜日は半ドンもあり)の社会で、そこから週休2日になったものの、それ以降の労働時間の減少ペースは緩やかですね。
日本では長らくの停滞やブラック企業のせいでむしろ労働時間が増えているかも?
コンピュータに使われるLSI(集積回路)の性能は2年ごとに2倍になると予測した「ムーアの法則」も、微細化の限界で近年は終焉を迎えつつあると言われています。
ずっと同じペースで進んでいくのは難しいものですね。
1日3時間労働の社会が実現していたら
もしもケインズの予測通り、2030年に週15時間(1日3時間)労働が実現していたら、皆がセミリタイアするような社会ですね。
そのペースであれば2000年代初頭には1日5時間労働も実現しているはずで、「FIREムーブメント」なんて起きてなさそう。
いや逆に、若いうちは1日8時間労働して資産を増やし、早期に完全リタイアを目指すムーブメントが起きる可能性もあるのかな?
それよりも「暇でしょうがない」という人で溢れるのか、最初からそういう社会で育っていればそうならないのか…
週15時間が実現するとしてもまだまだ遠い話なのでまったく予想ができませんね。