年金繰り下げ受給・繰り上げ受給の損得
平均寿命が伸びる中、定年後に向けての資産形成はますます難しさを増している。実は、年金の繰り下げ受給を行えば、老後100歳までに必要な資産を約2000万円も圧縮できることをご存知だろうか?老後の準備が十分ではなかった人もまだまだ間に合うテクニックを、お金のプロが伝授する。
そもそも年金を金銭的な損得だけで考えるならば、受け取る前に死ねば丸損です。
掛け捨ての生命保険(死亡保険)をかけて、その間に死ななかった場合の逆パターンですね。
年金は保険という大前提に立ち返れば、金銭的な損得ばかりを考えるのは良くない。その点は同意です。
金銭的な得をしたいのか不安を減らしたいのか
繰り下げ受給をすると将来の年金額が増える代わりに、受け取る前に死ぬかもしれない期間を伸ばしてしまうし、損益分岐点も後ろになります。
「老後2000万円問題」は、65歳から30年間の赤字で計算したものであり、95歳まで長生きする場合の想定です。
長生きしたら老後破綻の不安があるし、かといって繰り下げ受給をしたら早死して金銭的に損をするかもしれない。
とにかく金銭的な得をする(損をしない)確率を上げたいのか、不安を減らしたいのかをよく考えるべきでしょうね。
さらに時間的な損得もある
繰り下げ受給・繰り上げ受給した場合の金銭的な損得も、税金や保険料を計算に入れると損益分岐点が変わってくるし、記事にあるように働いた場合は在職老齢年金制度も影響します。
また繰り下げ受給の選択をして、それまではがっつり働いて生活費を稼ぐ場合は、老後の中でも比較的元気に動ける時間を労働で使ってしまうというリスクがあります。
金銭的な損得・不安の大小に加えて、この時間的な損得も含めてよく考えないといけないわけで。
その間を貯金(資産運用)で生きるならいいし、働くのが好きならそれもいいことです。
死ぬ時に自分にとっていい選択ができたと思えればいいのですが、自分がいつ死ぬかわからないし、それを振り返る瞬間があるかもわかりません。
お金も時間も大切に生きたいものですね。