老後2000万円問題とデキュミュレーション
・2000万円という金額は、平均的な高齢者世帯における家計収支の月間約5.5万円という赤字額から算出されたが、因果関係としては、2000万円超の資産額の結果として5.5万円の取り崩しが行われたと見るのが自然であろう。
・高齢者世帯の状況を家計調査から見ると、金融資産は比較的多く保有しているものの、その取り崩しはかなり保守的であることがうかがわれる。
野村アセットマネジメント株式会社のレポート『老後2000万円問題とデキュミュレーション』です。
老後2000万円問題の家計調査の高齢無職夫婦世帯が「毎月約5.5万円赤字で貯金を取り崩している」というのは、どうがんばってもそうなっているという話のように語られがちです。
しかし因果関係としては「貯蓄に余裕があるから取り崩して老後生活を送っている」という方が自然だというのは、私も言及してきたことです。
厳密に言うと、年金だけで生活している人と、貯蓄に余裕があって取り崩している人がいて、平均が月約5.5万円になったと。
そしてレポートでは「取り崩しはかなり保守的」という見方をしています。
赤字の埋め合わせ手段が大きく変わっている
レポートでは、赤字のうちの埋め合わせ手段の詳細について言及しています。
老後2000万円問題のベースとなった2017年は、約5.5万円の赤字のうち現預金は約3.6万円、保険が1.28万円、借入金等が0.55万円となっています。
今もこのような比率かと思いきや、2021年以降は現預金は非常に低く、保険と借入金等が中心になっています。
取り崩しはほとんどなく保守的であり、逆に貯金がない人による借入金が増えているようです。
リバースモーゲージのような仕組みを利用しているのであればいいですが、借り先によっては老後破産リスクになります。
もはや「老後は家計の赤字を貯金から取り崩して生活している」は、正しくないのが現状のようで、むしろ借金には気をつけないといけませんね。
