年金は繰り上げ受給がよい?
最近はニュースサイトなどを見ていると、繰上げ受給か繰下げ受給に関する記事を、よく見かけるという印象があります。
この理由のひとつは、2022年4月になると繰上げ受給の減額率が、0.5%から0.4%に改正されるからだと思います(改正の対象になるのは、1962年4月2日以後に生まれた方です)。
「人生100年時代」という言葉が広まってから、「長生きに備えなければならない」「人並みの老後生活を送るには2000万円が必要」「さもなくば死ぬまで働くしなかい」など、老後生活・老後資金の不安を煽る記事が増えたと思います。
老後の資金が不安ならば、年金の繰り下げ受給が最初のチョイスだと思うのに、意外とそこには触れなかったりして、投資を勧誘するためなんだろうなーという記事も多いですね。
その一方で、今の平均寿命は男性は81歳くらい、60歳時点の平均余命でも80歳前半ですから、「日本人男性の半数は85歳までに死ぬ」現実がありますし、健康寿命を考えたらもっと低くなります。
(女性は男性よりもずっと長生きするので、また話が違ってきます)
「年金を早く受給して、人生を楽しんだ方が良い」
だからといって、年金の繰り上げ受給をすべきなのは65歳以下で大病を患った場合などに限られると思っていました。
繰上げ受給の減額率が一ヶ月あたり0.5%から0.4%に下がったことで、損益分岐点が変わり、繰り上げ受給を選ぶべきケースが広がったと。
「将来年金が減っていく!」と考えているなら、減る前に少しでももらっておくという考え方もありかなぁ?
老後の後半のことばかり考えて、60代や70代まで我慢の生活を続けるよりは、「年金を早く受給して、人生を楽しんだ方が良い」と考える方が私もいいと思います。
老齢厚生年金だけ繰り下げ受給する選択肢
年金のうち「老齢基礎年金(国民年金)」と「老齢厚生年金(報酬比例部分)」を比較すると、将来より多く減額されるのは「老齢厚生年金」の方だと私は考えています。
国民年金だけを受給する人もいる「老齢基礎年金」を減額すると、最低限の生活が脅かされるためです。
将来年金が減っていくからその前にもらっておこう、と考えるならば、「老齢厚生年金」だけ繰り下げ受給するのもありかな?
「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の受給開始はそれぞれ自分の好きなタイミングで行うことができるので。
自分の健康状態にもよりますし、自分の残りの人生を楽しむために様々な選択肢を考えておきたいですね。