基礎年金と厚生年金のどちらを繰下げたほうがお得?
年金の繰り上げ・繰下げ受給の損得を論じる解説する多いですが、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り上げ・繰り下げの選択が可能であり、それを踏まえた上での損得を解説する記事は意外と少ないです。
繰り上げ・繰り下げどちらにしてもメリット・デメリット両方あるし、結局のところ長生きするかしないかで損得は決まるので「このパターンが得」はないのですが。
しかしながら、片方だけ繰り上げ・繰り下げを選択肢として持っておいた方がいいのは間違いありません。
妻の基礎年金だけ繰り下げが得になる?
繰り下げ受給は長生きするほど得になるのは言うまでもありません。
長生きする確率が高いのは女性の方なので、夫婦で考えるなら妻の年金(基礎年金)のみ繰り下げを選択するのが得になる確率が高いと言えるでしょう。
共に65歳で夫がサラリーマン・妻が専業主夫だった夫婦がもらう年金は、「夫の基礎年金+夫の厚生年金(報酬比例部分)+妻の基礎年金」の合計。
夫がなくなった場合は「妻の基礎年金+遺族年金(夫の老齢厚生年金の4分の3)」になります。
ただし、仮に夫が厚生年金を繰り下げていたとしても、遺族年金の計算のベースは繰り下げ前の65歳で受け取る場合の支給額です。
よって、妻の年金のみ繰り下げが得になる可能性が高いとなります。あくまで確率であって、妻が先になくなるケースだってありますが。
メリット・デメリットは他にも
年金の繰り上げ・繰下げ受給のメリット・デメリットについては、こちらに詳しく書かれていました。
繰り上げ受給のデメリットに「iDeCoに加入できなくなる」があるのは初めて知りました。
繰り下げ受給で気をつけなければいけないのは、税金や社会保険料が増えることです。
ただし遺族年金については課税・社会保険料の対象に含まれないので、妻の基礎年金は繰り下げ受給しても負担が増えることがまずありません。
夫が亡くなった後に妻がもらえる遺族年金の額をあらかじめ計算して、少ないと感じるなら繰り下げ受給を選んでおいた方がいいですね。
亡くなった時のことを考えるのはあまりしたくないものですが…