100歳まで生きる前提で準備すべき?
ほかに老後に考慮すべき資金として、下記のようなものがあります。必要に応じて上乗せすることになります。
・住宅の維持費用:10年ごとに100万円として、40年で400万円
・介護資金:亡くなる直前に介護施設に預けると、1カ月20万円として(20万~40万円の場合もあります)、1年で240万円、3年で720万円 ※ 在宅介護としても活用可
・医療資金:病院で亡くなったとして治療費など50万~100万円
・ゆとり資金:月3万円ほどの使途自由な資金として40年で1440万円
老後は(夫婦揃って)100歳まで生きることを前提に準備をすべき、という点はまぁ良いとして…
老後の支出26万円はいつから「老後の最低限の生活費」になってしまったのでしょう?
「老後の最低限の生活費」の上に、考慮すべき資金という意味ならわかりますが、老後の支出26万円は最低限というデータではありません。
試算のデータと食い違っている謎
計算に用いている「老後の支出26万円」は、実際に高齢無職世帯の消費支出の平均から導き出されたものです。
それは、「老後の最低限の生活費」ではなく、娯楽遊興費・交際費や家の修繕にかかったお金も入っているわけです。
それを言及することなく、住宅の維持費用やゆとり資金を上乗せするのはおかしな話ですね。
試算に使用したという、金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』(2019年6月3日)のデータを見ると、「毎月の赤字は約5万円」となっています。
それなのに「毎月7万円の赤字」を前提にしてるあたり、少しでも老後に必要な金額を増やそうとして、苦心した様子が伺えます。
いやデータはそのまま使えよって話なんですが。
FPは老後資金不足を煽るのがお好き
まぁこの記事も、よくフィナンシャルプランナーが書いている「老後資金不足を煽る記事」の一つですかね。
そうやって煽ることで自分の仕事に繋がるんでしょうけど、データの扱い方はしっかりしないと…