勝ち組が一転、65歳で老後破綻の末路
退職金が定年時よりも優遇されるケースが多い早期退職制度。退職金が多くなるならと利用し、その後、完全にリタイアするケースも。誰もが悠々自適な生活を手に入れる、まさに人生の勝ち組……と全員がなるわけがないようです。
早期退職勧奨制度の優遇退職金2300万円、貯金と合わせれば5000万円になるから、完全リタイアだ!悠々自適の生活ができる勝ち組だ!→その末路は…
というわかりやすい設定の記事ですね。
子どもがいるのか、あるいは子育てが終わっているのかで生活費が大きく変わります。
生活費の参考として挙げている「59歳までの無職世帯の消費支出・月25万」は、世帯人数2.85人なのですよね。
つまり子どもや扶養家族がいる世帯も含めての支出の平均なので、2人だけで集計すればこれより低くなる可能性が高い。
統計の平均値から考えるのではなく、自分の今の生活費から65歳までに必要になるお金を考えないのかというのが最大の疑問です。
数千万円の割増退職金をもらえる人が「勝ち組」
「勝ち組」という表現は最近あまり見かけなくなってので、ちょっと懐かしく感じました。
月収53万円や退職金2300万円の人が勝ち組なのかと言われると、ちょっとうーんとなります。早期リタイアして悠々自適の生活が勝ち組という意味なのかなぁ?
本当の勝ち組というのは、もっとたくさんの割増退職金をもらえる人でしょう。
この手の大手企業だったら、50歳でそこそこの役職に就いていたら年収1000万円超えているのものですし。
だから負け組でも勝ち組でもなく、早期リタイアするならそれなりに節約生活が求められるレベルですね。
落とし穴になるのは「ねんきん定期便」
最初は50歳という設定から、ねんきん定期便の落とし穴で老後破綻というシナリオかと思いましたが、それは違ったようです。
「ねんきん定期便」は50歳以上になると「老齢年金の種類と見込み額」が記載されるようになります。
これはあくまで今の仕事を60歳まで続けて、同額の給料をもらった場合の見込み額であるため、早期リタイアしたら実際に貰える年金額(報酬比例部分)は減ります。
50歳で早期リタイアするならば、50歳以降は国民年金に設定を変えて見込み額を再計算をしないと目論見が外れます。
貯金と退職金を合わせて5000万円もあったら、「どうにかなるだろう」と楽観的になってしまう気持ちもわかりますが、自分の生活費をよく見てから熟慮すべきですね。